日本語名《ギックスの残虐》です。直すのめんどいのでそのままで。
さっき見て衝撃を受けたカードについて考察。
《The Cruelty of Gix》
先読
Ⅰ:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中からクリーチャー・カード1枚かプレインズウォーカー・カード1枚を選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
Ⅱ:あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加え、その後ライブラリーを切り直す。あなたは3点のライフを失う。
Ⅲ:墓地からクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。
○考察
Ⅰ:《蔑み》。あちらと違ってアグロの出鼻を挫くには重すぎるが、とりあえず前方確認&1アド。
Ⅱ:《不気味な教示者》。相手の手札を確認した上で、最も有効なカードをサーチすることができる。
Ⅲ:黒のゾンビにならない《墓場からの復活》。釣り上げ先は自分で用意する他、ハンデス(1章)や除去で墓地に落とした相手のクリーチャーでもよい。
まず、効果が似ているカードと比較してみよう。
「ドミナリア」の数多い神話アンコモンの一枚、《最古再誕》だ。
緩やかながら強力なアドバンテージを得られるということで、赤黒アグロ、緑黒ミッドレンジ、青黒コントロールなど幅広いデッキで使われた実績を持つ。
↑テツオ・ウメザワに敗れたニコル・ボーラスの復活を描いた英雄譚。じゃあギックスは...?
このカードの優れている点は、盤面に残った強力なクリーチャーやプレインズウォーカー(《殺戮の暴君》あるいは《ドミナリアの英雄、テフェリー》だ。)を直ちに処理しながら、後で自分の場に復活させられることだ。
一方で《The Cruelty of Gix》の1章はハンデスをするだけで盤面に触らない。2章でライフを失いながらサーチを行う。そしてサーチしたカードをマナを払って使い、やっと脅威を取り除くことができる?いや、最近のカードは脅威を多角的にばらまくので、あなたのデッキに入っているカードでは、または環境に存在するいずれのカードを使っても、脅威を根絶することはできないかもしれない。そして3章も、PWが対象外になっているために、対処した脅威をそのままお返しするという運用が難しくなっている。(とはいえ、これは環境次第だ。)
つまり、《The Cruelty of Gix》を《最古再誕》的に使うのは無理がある。漫然と使って勝ちに近づくカードではないということだ。
ではどうするか?しっかりと勝ちに近づくような運用をすればよい。コンボだ。
盤面対処が苦手なら、それを圧倒する盤面を作るか、盤面を無視して勝ってしまえば良いということだ。
そう考えると3章の持つ意味が異なってくる。《策謀の予見者、ラフィーン》を奪うのではなく、もっと大きいものを出さないといけない。
例えば、《産業のタイタン》。盤面形成も盤面対処もライフ補填もできるカードで、劣勢を巻き返すには最も優れている。
↑独創力コンボなどでも使われることがある、"本物"。
あるいは《船砕きの怪物》。マナを使用していない状態で着地するので、どんどん効果を使っていける。
↑余談だが、既にこいつがいる状態で、英雄譚の最終章能力が誘発した時にスタックで呪文を唱えることで、その英雄譚を回収して使い回すことができる。最終章が強力な英雄譚、例えば《The Cruelty of Gix》なんてどうかな?
一般にリアニメイト戦術は相手に対処されると後続を出すのが難しい、そもそも必要なパーツが揃わなくてリアニメイトできないなどの欠点があるが、心配ご無用。
《The Cruelty of Gix》は1章で前方確認し、2章で足りないカードを確実に持ってこられるのだ。すごいぞギックス。
最後に、あえて無視していた先読の解説だ。
まず、普通に1章から読み始めた場合は、1アドが取れる。前方確認ができる。ハンデスを食らうことなく、2章でサーチしたカードを使える。
2章から読み始めた場合は、即座にカードをサーチできる。エンチャント除去を警戒する場合に有効だ。また、リアニメイト効果の早回しができる。
3章から読み始めた場合は、単純に《墓場からの復活》になる。5マナ相当の効果を5マナで即座に発動できる。何も損していない。すごいことだ。
○まとめ
《The Cruelty of Gix》は雑アドカードではなく、リアニメイトコンボパーツである。
2,3章の自由度の高さから、様々な奇怪なデッキを産み出す可能性があるので、継続して研究していきたい。
本当の最後に、《The Cruelty of Gix》デッキと相性がいいカードの紹介だ。
どうやら①《The Cruelty of Gix》の重さを緩和する効果、②リアニメイト先を墓地に落とせる効果、③リアニメイト後の勝利を更に確実にする効果を持っているらしい。
そんな都合のいいカードなんて存在するわけが...
↑すごいぞキキジキ。